科学的な思考力や問題解決能力、またそれを文章や図表を用いて表現する能力は、日々の看護実践の向上だけでなく、多職種と協働して問題を解決するうえで、臨床看護師に必須の能力です。また、これからの看護師は、誰もが積み上げた看護実践のデータを統計的に分析し、看護研究として学会等で報告するのが普通になっていきます。
今から20年前の2000年当時、こうした看護研究の必要性が叫ばれる中、臨床では指導者が絶対的に不足しており、看護師の皆様は、看護実践のほかに研究と言う課題が重くのしかかり、どう研究を進めていったらいいのか、途方に暮れていました。
こうした臨床看護師の皆様のお役に立つべく、2002年4月に日本看護研究支援センターは発足しました。当初は看護師の皆様と悩みながら試行錯誤で取り組んでまいりましたが、その甲斐あって、現在は指導方法も確立し、看護師の皆様にご満足いただける効率的な対応が可能になっています。
2021年現在、大学院を修了したり、認定看護師や専門看護師を取得したりする看護師が増え、以前に比べて臨床看護師の研究環境は整ってきました。とても喜ばしいことだと思います。
しかし、一方でこうした環境がなかなか整わない医療機関もあるかと思います。ぜひ当センターをご利用いただければと存じます。一緒に悩み、一緒に喜びながら、研究の芽を育てていきましょう。
2021年吉日 日本看護研究支援センター所長;廣町佐智子